スペアキー

仕事で茗荷谷に行ってきた

15年人生一心同心だったボスの地元

 
いろいろいろいろあって
会わなくなって5年くらい経つ。
 
それまでに自分と接触したことのある人は
いまだボス元気?と普通に聞いてくるくらい
ずーーっと同じ時間を過ごしてきた。
 
結婚してるわけでも付き合ってるわけでもなく
お互い彼氏彼女がいた時期もあり
(複雑な部分もあるんだが割愛)
なのに
一生一緒にいるんだと言われてたし、言ってた
 
 
10年二人で会社やってきて、
簡単にいえばそれを維持することが困難になり
仕事のパートナーとしては別れることになって
今の会社に転職した自分
 
ただそうなってもお互い会わなくなるとは思わず
一番の理解者は自分という自負があった
しょっちゅう呼び出されてたしね
 
あの絶対的な自信はなんだったんだろうな
 
 
絶対的な孤独感が似てた、というのはある
どこまでも似たもの同士で
喜怒哀楽も合致するものだから、
朝から数時間、猛喧嘩してたこともある
 
でも昼ご飯は絶対に向かい合って食べること
おはようだけはちゃんと交わすという
二人で決めたルールだけは守った
 
関係を聞かれる度に、
しいていえば結婚30年目の夫婦って言ってたけど
ビジネスパートナーで括られるのも
なんか嫌だったんだと思う。
 
 
以後、いままで言わなかった話。
 
さんざ言われてきたこと。
 
15年という月日の中で
恋人になるタイミングは何度かあったと思う。
 
ただあえてそれを選択しなかった、というしかない。
 
怪我をして救急車で運ばれた深夜
ダイヤルを押したのはそれまで飲んでいた男友達ではなくて
ボスだった
タクシーを飛ばして迎えに来てくれたのに
なぜか平謝りしかできなかったアタシ。
大した怪我じゃないじゃんと呆れられながら
朝方までファミレスで過ごした。
 
いつだったか誕生日にプレゼン追い詰められて
さんざ騒いだアタシを
なだめるように不二家レストランで祝ってくれたこともある
こどもかよと毒ついたけど
本当はうれしかった。
誕生日メールはいつも0時ちょうどに届いて
それは永遠に続くと思ってた。
 
彼の飽きっぽさをさんざ見てて、
その度に惚気話と愚痴話をしこたま聞いた
向こうもアタシの勢いと往生際の悪さを
わかった風に聞いてた
そんで、結局自分でいいじゃん?と結論づけるのか常だった
 
どちらかが別れるとドライブに出かけた
たいていは彼の遊びと買い物に付き合わされた形だったけど…
 
高速が嫌という我儘を聞いて下道で走った御殿場
ボスの買い物が長引き、沼津の寿司が食べられなくなって
ファミレスで拗ねまくったとき、じゃあ泊まる?と
言ってくれたのに、いいよ帰ると意地を張った
 
帰りたくないという一言は絶対に言えなかった
自分の存在意義は永遠でいることだったから
ドライブのハンドルは私が握ってたから
決定打を出すことはできなかった。
 
 
 
今の今まで言わなかった話。
 
二十歳の秋、初めて会った時。
この人と一緒にいることになると実は確信してた
運命とは言わないまでも。
 
予想通り部下になって、
それからプライベートもともに過ごして。
突然呼び出されて横浜をドライブしてる時
一緒に会社やろうって言われて。
 
ベタな言葉でいえば彼は青春そのもので
彼と離れて初めて地に足をつけて歩き出したんだと思う
 
 
 
ということを考えてた2015年秋。
エイトのスペアキーはあまりにも直球でした。